タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪719号(2026年10月4日発行) 
KANCHI HOUSE(カンチハウス) 畑 寛治さん

【本紙】 幸手のお店はいつからですか?

【畑】(敬称略) 2024年6月です。KANCHI HOUSE自体は2019年に茨城県土浦市で始めたので、今年で7年ほどになります。ここには、ハンバーガー、コーヒー、古着、雑貨など、オーナーの異なる6店舗が集まっています。グループ店ではなく、知り合い同士のタイミングが重なってできた場所です。

【本紙】 なぜ幸手に6店舗が集まったのですか?

幸手に生まれた小さな町友達の輪写真

【畑】 私は以前、南越谷で店を開いていました。そこで親しくなったハンバーガー屋「トイボックス」のオーナーと、「土地のある場所で何か面白いことをしたい」と話したことが始まりです。越谷や春日部、松伏などで物件を探し、幸手のこの場所に出会いました。東京で店を閉めることになった知人や、コーヒー店を始めたい仲間などに声を掛け、最終的に6店舗が集まりました。この場所全体を「LITTLE TOY TOWN」と名付け、小さな町にそれぞれの店が入っているという形にしています。

【本紙】 幸手とは縁があったのですか?

【畑】 まったくありませんでした。恥ずかしい話ですが、最初は「幸手」という地名を読めなかったほどです。駅からも離れているので、南越谷よりゆっくりした商売になると思っていました。ところが、開店後は想定の10倍、15倍というお客様に来ていただいています。県外ナンバーの車も多く、お盆にはさまざまな地域からお越しいただきました。SNSの力は大きいですね。

【本紙】 どのような商品を扱っていますか?もともと雑貨の仕事をしていたのですか?

アメリカで直接買い付け

【畑】 アメリカンヴィンテージ雑貨が中心です。年に3回ほどアメリカへ行き、自分で買い付けています。アンティークモールは日本とほぼ同じ価格の商品も多く、送料や関税を加えると商売になりません。そのため、朝5時から開くマーケットを回ったり、エステートセールを利用したり、個人のお宅を訪ねたりして仕入れています。今回はロサンゼルスからフロリダ、アトランタへ向かいます。行ったことのない地域なので、何が見つかるのか楽しみです。以前は建築会社で現場監督をしていました。雑貨や古着は中学生の頃から好きで、18、19歳の頃にヴィンテージ雑貨に出会い、すっかり夢中になりました。給料が20万円なら半分を雑貨に使うほどで、部屋も雑貨だらけでした。現場では、職人さんが休憩中は冗談を言いながらも、仕事が始まるときっちり働き、時には情で力を貸してくれる。その姿が格好よく、自分も責任を持てる仕事をしたいと思うようになりました。そこで会社を辞め、好きな雑貨に関わる道を選びました。

【本紙】 すぐにお店を始めたのですか?

借金からの再出発

【畑】 辞めると決めた時の貯金は千円ほどでした。通っていた土浦の雑貨店の店長に相談すると、「東京の店で修業するなんて、つまらない。どうせやるならアメリカへ行って、自分にしかできないことをやればいい」と言われました。その言葉に背中を押され、朝から晩までアルバイトをして50万、60万円を貯め、アメリカへ行きました。ところが、買い付けた品物を日本へ送る方法も、関税の仕組みも知りませんでした。カードのリボ払いまで使い、約200万円の借金を抱えました。それから2年間はアルバイトを続けて返済に専念し、2019年2月、土浦の一軒家を借りてKANCHI HOUSEを再スタートしました。最初の3年間は、昼に週6日店を開け、夕方から深夜までバーで働きました。ウェブやインスタグラムだけでは売れず、月に1、2回イベントへ出店し、来てくれた方には買っていただけなくても必ずチラシを渡しました。インスタライブにも挑戦し、横浜のアメリカ雑貨イベント「ジャンクショー」では商品の価値を分かってくださる方と出会いました。少しずつ店が知られ、3年目に雑貨の収入がアルバイト代を超えたことで、一本でやっていく決心がつきました。

【本紙】 その頃、南越谷へ移ったのですね。

【畑】 ちょうどトイボックスのオーナーから、南越谷に空いている物件があると声を掛けてもらい、その場で「行きます」と答えました。2022年2月の開店時には、以前渡したチラシを見て、ウェブやインスタグラムを追ってくださっていた方が来店してくれました。そのつながりが現在にも続いています。

【本紙】 順調になってからも苦労はありましたか?

失敗しながら店を育てる友達の輪写真

【畑】 雑貨店で働いた経験も、経営を学んだ経験もありません。人件費を惜しんで、イベント出店、仕入れ、確定申告、インスタライブまで全部一人で抱え込み、雑貨一本にして2年ほどでパンクしてしまいました。店を1か月ほど休んだこともあります。その失敗から人に任せることを学び、今はスタッフ1人とアルバイト1人に支えてもらい、アメリカでの買い付けも年3回できるようになりました。

【本紙】 幸手の名前を広める役割もありますね。

【畑】 私たちはマニアックなことをしているので、大きな地域貢献をしているとは言えません。それでも県外から来た方に幸手を知ってもらえます。番組プロデューサーの方がYouTubeで店を紹介し、動画の中で何度も幸手と言ってくださったこともありました。少しでも知名度の向上につながるならうれしいです。

【本紙】 これからの目標は?

最強の一店舗を目指して

【畑】 店舗を増やしたいとは思っていません。自分がいる空間を、自分が本当にいたい空間にして、「自分だけの最強の一店舗」を作りたいです。KANCHI HOUSEが良くなれば、結果としてLITTLE TOY TOWNという町全体の魅力にもつながると思っています。まだ行ったことのないアメリカの地域を訪ね、そこでしか手に入らない雑貨を買い付けることも目標です。いつか買い付けの様子を動画で紹介できたら面白いですね。

【本紙】 楽しみですね。では、お友達をご紹介ください。

【畑】 取材に来ていただき幸手市のプロモーション動画にもアップしていただいたシティプロモーションを担当されている竹内朝海さんを紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。これからも幸手の小さな町から、畑さんにしか作れない店の魅力を発信してください。(失敗を隠さず、そこから学び続ける畑さん。好きなものへの情熱と行動力が、県外からも人を呼ぶ「最強の一店舗」を少しずつ形にしています。)

KANCHI HOUSE
埼玉県幸手市下吉羽199−1
営業時間 11:00~18:00 定休日 金曜日
kanchihouse インスタグラム