タウンプレスよみうり

読売センター幸手が隔週で発行している地域ミニコミ紙「タウンプレスよみうり」の内容をご紹介

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友達の輪708号(2025年11月2日発行) 
フラメンコ講師 新井洋子さんへ

【本紙】 新井庫三商店さんは何代続いてらっしゃるのですか?

【新井】(新井称略) 主人が三代目になります。息子が四代目として商売を継ぐと言ってくれて、家に入ってくれまして、息子と主人と私を中心にして何名かのアルバイトさんで切り盛りしています。取扱商品は主に農薬や肥料です。また、米の集荷もやっています。当店から農薬や肥料を農家さんに販売して、その農家さんからお米を買い上げて、別のお店に卸すという流通です。今年の春先はお米騒動で米不足になったり、秋の新米ではお米の価格が上がりました。さらに、忙しい時に母が亡くなってしまったり、主人も手術待ちだったりと、仕事以外にも色々ありました。私は熊谷から嫁いで40年になりました。ここに嫁いだ翌日からお店に出ていました。なにも分からないけど、とりあえず出て仕事を覚えようと思っていました。サラリーマンの家に生まれましたから、1日の生活スタイルの違いに戸惑う事も多々ありました。従業員の方も目上の方ばかり、ご近所にも知り合いはいません。大変なことはありましたけど、苦労をしたという思いはありません。義母も優しい方で嫁に来て40年、ケンカしたこともありませんでした。近所の方や農家の方も皆さん良い人ばかりで、最初から幸手にいたような顔をして過ごさせてもらえました。亡くなった義母から色々教えていただきました。その義母が遺した言葉で印象に残っているのが、「自分が苦手だなと思う人ほど、近くに寄っていって言葉を交わすほど、もしかしてこの人はこういう方だった?と思うことがあるから、苦手な人ほど近づいて話をしてみるといいのよ」と、そして商売ってそういうものだと言っていました。人間誰しも苦手ってあるじゃないですか。自分の物差しで測っていた人が、実際に接すると意外と違っていたり、40年間続けてきて、また義母が亡くなってから特に感じるようになったことですね。

【本紙】 そうでしたか。フラメンコをやられているそうですね。

健康のためにと友達の輪写真

【新井】 実は48歳位の時に肝臓の大きな手術をして、それをきっかけにこれからどうなるか分からないから、何かやってみようと思ったのです。それで、フラメンコと習字を同じタイミングで始めました。フラメンコは当時、勤労福祉会館へ先生が来てサークル活動のような形でフラメンコを指導されていました。そこでやっていた方のひとりがお友達で、その方から「健康にも良いかもしれないから、一度見学に来て気に入ったら入ってみない?」と誘われたのです。実は肝臓だけでなく、足も半月板の手術しているのです。その時に先生から筋力をつけないと、60歳で歩けなくなるって言われました。それで、フラメンコの音楽を聞いてみると、自分に合っているかな、と思うところもあり、これからの生活の楽しみとしてやってみようと思ったのです。フラメンコは思ったよりハードで、始めたばかりの頃は足もかなり痛みました。現在は痛みもなく、ハードなステップも踏めるようになりました。やっている内に自分に向いていて楽しいと思いましたし、それならお友達にも紹介しようと思ったのです。その流れで今に至るという感じですね。みんなと踊り終えたあとにお茶を楽しむのもいいですし、年齢も仕事も関係なく、楽しいと思うことだけを楽しめるというのは良いことだと思います。

【本紙】 何名くらいのサークルですか?

恵比寿のスタジオへ

【新井】 当時は12~3名くらいでした。メンバーも高齢の方が多く、段々と減っていき、また先生も80歳くらいで旦那さんも亡くなってしまい、周囲の状況も変わってしまったのでお辞めになってしまったのです。それで、サークル活動の頻度も段々と少なくなってしまい、解散しましょうということになりました。その際に、先生がフラメンコを教わっていた東京恵比寿のスタジオを紹介してくれて、「月に1回でも2回でも良いから東京に行って習ってみたら?」と仰って下さったのです。5年くらい前ですね。最初は冗談でしょ、と思っていたのですが、東京まで月2回レッスンに通うようになりました。先週の10月25日に新宿で発表会がありましたが、私も参加しました。

【本紙】 どれくらいやられているのですか?また、幸手ではやられていないのですか?

【新井】 もう20年くらいになりますね。長くやっていますと、一緒にやっていた方が亡くなってしまったりもしましたが、その方のご主人から新井さんを始め、皆さんと楽しくやっていたから続けてほしいと言われたこともありました。幸手では週に1回、勤労福祉会館でやっています。現在10名ちょっとくらいの人数でやっています。先生、生徒ではなく、一緒にフラメンコを楽しむ仲間という感じですね。私自身もレベルの高いものを教えているわけではないので、楽しく踊りましょうというスタンスです。

【本紙】 フラメンコには流派のようなものってあるのですか?

本場スペインで飛び入り友達の輪写真

【新井】 特にそういったものはないですね。色んな曲調がありますが、基本的なリズムは同じなんです。その中でどう振り付けをするかは先生によって変わってきます。フラメンコは踊り手、ギター、カンテという歌い手、手拍子をするパルマがあって成立します。もう何年も前の話ですが、スペインに幸手のサークル仲間たちと行ってきました。劇場ではなく、洞窟の中でやっているのを観ました。その時、下手ながらもみんなと一緒に踊って非常に楽しかった思い出があります。あとで「よくあの中に入れたね」と言われましたけど、やったもの、楽しんだもの勝ちだと思うのです。上手、下手は全く気にしなかったですね。他にヨーロッパなど色々な国には行きましたけど、フラメンコをやっているせいかスペインが一番印象に残っていますし、また行きたいと思います。お店をやっている関係上、どうしても夫婦で出掛けるという機会がなかったのですよ。これから息子が仕事に慣れてきたら。私の希望ではありますけど、夫婦の時間が取れるようになればいいなと思っています。二軒先に息子の家も建つ予定で、家族が近くなるのも良いと思っています。娘がカナダに10年間暮らしていたのですが、その娘も戻ってきています。今まで大人3人で静かな生活でしたから、少しは賑やかになっていいのかなと思いますね。

【本紙】 にぎやかになりそうですね。では、お友達をご紹介ください。

【新井】 10年間足のケアでお世話になっている、増山千賀子さんをご紹介します。

【本紙】 ありがとうございました。情熱の国スペインと言われますが、フラメンコを通じて楽しい人生をお過ごしください。