友達の輪707号(2025年10月5日発行)
珈琲 珈処マスター 平田 敬さん 奈知子さんへ
【本紙】 こちらはいつオープンされたのですか?
【敬】(敬称略) 2015年12月1日です。でも、喫茶店の経験はなく、普通のサラリーマンで、65歳まで働いていました。この場所は以前、「あみ」という店名の喫茶店があったのですが、10年前に閉店することになり、実は私には喫茶店をやってみたいという夢があり、もし可能なら私に引継がせて頂きたいと家主さんにお願いしてお借りしました。
【本紙】 ご夫婦で役割分担をされているのですか?
【敬】 妻が料理とケーキを担当して、私がコーヒーと掃除を担当しています(笑)。
【奈知子】(敬称略) 20年くらい久喜市のコーヒー専門店で料理や接客をやっていました。ですから、お店の作業手順など体で覚えていますから、そこでの仕事の経験が今に活きていると思います。
【敬】 妻がそのお店に勤めたのも、20年位前からの私の夢を共有してくれたからで、とても感謝しています。実は幸手に越してきた時点で、コーヒー豆の焙煎機を買ってしまっていたのです。仕事を辞めてしまえばやることはなくなってしまいますから、早めに準備しようと思っていたのです。また、お店を改装する時は昔ながらの喫茶店の雰囲気がいいなと思っていました。幸い息子が内装工務店で設計をやっていますので、任せたらほとんど息子の趣味で作ってしまいました(笑)。そのせいか、私くらいの年代のお客様が非常に多く、こういう雰囲気のお店はもう見なくなった、と懐かしみながら来ていただいています。
【本紙】 何種類くらいの豆を扱っているのですか?
こだわりのブレンド
【敬】 7種類です。ブレンドも含めれば10種類くらいになります。10年やっていますので、その時間の中で色々と増えていきました。最初からブレンドも4つあったわけではなく、少しずつ増やしていきました。この豆とこの豆を合わせれば美味しくなるはずだ、と思って作るのですがこれが美味しくならないのです。豆同士の相性もあるのです。ですから、私の好みで決めています。今は、ブラジルがメインですが、それだけでは面白くないのでアクセントとしてケニアの豆を混ぜています。後味として、ケニアが効いてくる感じがなんともいえません。
【本紙】 ランチもあるのですね?定番の商品というのはありますか?
【敬】 もちろんあります。提供時間はだいたい11:00から材料が切れるまでです。分かりやすいからランチと言っているだけで、実質上は軽食みたいなものですね。コーヒーとスープ、サラダ付で一律940円(税込み)、開店当初から提供している商品がハヤシライスです。「喫茶店で食べたハヤシライスって、いいよね」って感じがするのではないでしょうか。今でも提供しています。
【奈知子】(敬称略) カレーとハヤシライスのどちらにしようかと考えましたが、カレーだと、香りが強いからコーヒーの香りを打ち消してしまうかな、というのもあってハヤシライスにしました。それから少しずつナポリタンやクリームパスタ、ミートソースとパスタ系を増やしていきました。ひとりでやっていますから増やしすぎると全てに対応できないので、今週はミートソース、翌週はクリームパスタと週替わりでやっています。
【本紙】 これからお店の夢などは?
珈処のドリップパック
【敬】 「珈琲 珈処」オリジナルのドリップパックを作りたいと思っています。紅茶のティーパックを想像してもらえれば分かりやすいと思います。粉を入れるパック自体は業者さんから購入することになりますが、その中に入れる豆は自分たちで作ります。それがあれば、お店に来なくてもインスタントとは違うお店の味が楽しめるようになるのです。大量販売は出来ませんが、当店ならではのドリップパックが作れればと思っています。
【本紙】 地域活動もされているそうですね。
【奈知子】(敬称略) 小野寺さんという方が代表を務める「おはなしの森」に参加しています。会を立ち上げてから30年位になるそうですが、私は参加して20年近くになります。活動としては、市内の各小学校を回って、おはなしをさせてもらっています。読み聞かせとは違い、自分の中で何度も何度もはなし込んで、情景が浮かぶくらいまで暗記した内容を子供たちにおはなしします。お話を届けることで子供たちが想像して聞いてくれればうれしいかなと思っています。大人の為のおはなし会もあり、年に1回やっています。今年は10月28日(火)10時~12時、市立図書館2F視聴覚室にて大人対象の「昔っこを楽しむおはなし会」を開催します。参加ご希望の方はお電話0480-42-0169または図書カウンターまでお申し込みください。10月10日(金)から受付を開始します。秋のひと時、おはなしの世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。
【本紙】 お二人のご趣味などは?
出会いのバンド結成
【奈知子】 夫婦の出会いの話になってしまいますが、私たちは共に九州の出身です。学生の頃学費の面であまり両親に負担を掛けたくないという思いからアルバイトを探していました。ピアノを少しかじっていたこともあり、またエレクトーンが出始めた頃でもあったので、エレクトーンが置いてあるお店に行って「弾かせてください」と飛び込みをして、エレクトーン演奏のバイトをはじめました。パブやホテルのレストランなど3ヶ所程掛け持ちでした。また、そのお店でギターの弾き語りを募集していて、弾き語りをする人の付き添いという形で主人がお店に来て出会いの場となりました。
【敬】 私は学生バンドでドラムをやっていて、サンタナや、レッド・ツェッペリン、シカゴなど、ロックのコピーバンドをやっていました。エレクトーンをやっていた妻を誘い友達とバンドをやろうという話になり、妻が参加して学園祭でポピュラー音楽やジャズを披露したりしていました。ですから、学生時代からの長い付き合いになります。就職を機に九州から上京することになって、上京前に彼女の両親に結婚の挨拶をしました。
【本紙】 思いで溢れる素敵な学生時代でしたね。では、お友達をご紹介ください。
【奈知子】 勤労福祉会館でフラメンコを教えている新井洋子さんをご紹介します。
【本紙】 ありがとうございました。(平田さんご夫婦はとても仲が良く、その秘訣を伺いましたら、「お互いに遠慮をしないということでしょうか。言いたいことを言ったり、やりたいことをやったりするのが良いのだと思います。」とお話くださいました。お付き合いも長いようで、会社員時代には敬さんが軽音楽部に入り産業音楽祭で大賞を受賞されたそうです。)