友達の輪701号(2025年4月6日発行)
権現堂川地域環境保全協議会 鳥海 久恵さんへ
【本紙】 代々農業をなさっているようですね。
【鳥海】(敬称略) 私で7代目になります。私は幸手市役所に定年まで勤めさせていただきました。ですから、勤めながらでも出来る程度の米農家です。市役所勤務中は、いろいろな方々に協力していただき、振り返れば幸せな日々だったと思っています。とはいっても、兼業ですから大変なことも多々ありました。私が36歳の時に母が亡くなり、41歳の時に父が亡くなったのです。当時の私はまだ子育ての時期でもありました。市役所勤務に農業でしたから、若い時はずいぶん体に負担が掛かっていました。それでも、田植えや収穫時期は年次有給休暇を利用して切り抜けていました。現在はお米を主とした農業ですが、今は農業機械がひとつでも壊れてしまうと、新規購入に躊躇してしまう時代です。農機具が高額という事もありますが、農業を続けるには後継者のことを考えるとむずかしい時代に入ったと思います。
【本紙】 市場では米不足で米の高騰もあったり、農業の後継者不足も顕著なようですから大変ですね。地域では環境ボランティアに従事されているそうですね。
環境保全協議会
【鳥海】 市役所を退職した後、地区にある「権現堂川地域環境保全協議会」の書記を依頼されたのです。協議会設立はごみ焼却場のひばりが丘桜泉園が出来てから50年になります。設立当初はごみ処理場が出来て、ごみを燃やすことで環境にどんな影響があるのか?という問題が主だったと思います。市内でごみ回収した拾集車は全て桜泉園に集まる訳ですから、地域では住民の健康面や交通事故等が心配されたようです。地域住民におよぼす環境保全の重要性等を考慮し、幸手市から協議会に活動費として助成していただいています。時代の変化もあってパソコンで報告書を作ることも当たり前になっていました。当時の協議会にはそれを出来る方がみあたらなかったようで私のところに依頼があり、地域の為になるならと参加させてもらうことにしたのです。そこからが始まりで、書記関係の仕事を引き受けています。会議を開催する案内や会議の資料作成、議事録など様々なことです。市役所を退職してからの参加でしたので、25年になりますが、あっという間に過ぎてしまった感じです。
【本紙】 具体的のどんな事をされているのですか?
環境保全協議会の役割
【鳥海】 桜泉園でごみ処理が始まった頃は皆さんとても緊張感を持って取り組んでいました。しかし、今はもう初期メンバーも減ってしまい最初の頃の緊張感が薄れてしまっているところもあるのです。ですから、改めて環境保全協議会がどういう役割をしているのか、というのを皆さんに知ってもらうというのが一番大事な仕事だと考えています。この環境保全協議会は年1回役員を中心とした県外研修を実施しています。環境保全課の協力を得て、研修場所を定めてきました。地域のごみ拾いなどを行った際に、参加してくれた方には環境保全協議会の方針を伝えると同時に、ごみの減量や正しい出し方、集積所の清掃など啓発に務めています。また、年に4~5回の会議も開催し、今も残る焼却場の煙突の撤去を望んでいます。行政が実施のダイオキシン類の調査立ち合いにも協議会員12~3名が参加し、環境保全協議会の総会で基準以下の知らせを受けたことを報告しています。
【本紙】 その一環として権現堂川小学校でも活動されているのですね。
ケナㇷとさつまいも
【鳥海】 この地域の子供たちに環境のことを考えてもらう時間をいただきたいと、権現堂川小学校に相談したところ、学校側も快く協力してくださいました。そこで、環境保全協議会では、サツマイモの植え付けやケナフの種まきなどを指導しています。ケナフは紙の原材料となり環境にやさしい植物です。種まきをして子供たちの水やりのおかげで、夏には綺麗な黄色の花が咲きます。刈り取りして最終的に紙漉きまで一年を通して共に学んでいます。そのケナフではがきを作っています。原材料によっても変わってきますので、子供たちが楽しめるようにケナフ以外にパルプを購入して、2種類のはがきに挑戦です。ひとり8枚の作品は個性があり、みんな夢中になって製作する姿に感動します。また、サツマイモも花を咲かせることがあるのですが、実は50年に一度くらいしか咲かないと言われています。見たことのない人も多いと思いますが、実は今年たまたま咲いたのでびっくりして写真に収めました。
【本紙】 なにかご趣味はありますか?
健康のために
【鳥海】 健康のためにグランドゴルフをやっています。桜泉園敷地内にグランドゴルフ場が常設されていますから、いつでも練習することが出来るのです。人とのふれあいと適度な運動が確保され、体力の低下や心の健康維持につなげています。現在の会員は300人です。お仕事を離れた方に新しいスポーツの楽しみとして入会してもらいたいと考えています。早い人は朝8時にはもうやっている場合もありますね。幸手市グランドゴルフ協会は市内に9支部がありますので、興味のある方は最寄りの支部に声をかけて下さい。様々な大会も開催しています。昨年岡山で行われた全国大会に参加しました。京都に在住の娘と姫路にいる妹たちが応援に来てくれました。その様子が日本グランドゴルフ協会たよりに掲載され、小さな1コマが温かく楽しかった大会を思い出します。
【本紙】 楽しそうですね。これから挑戦されたいことはありますか?
【鳥海】 この地域では2年後に小学校が統合されることになっています。その為、通う学校が遠くなってしまう子供も出てくると思います。その子たちの為に、自分が健康である限り何かお手伝いが出来ればと思っています。学校に関わっていると子供たちも私のことを覚えてくれます。そして、私を見かけると声を掛けてくれるのです。それが本当にありがたいですし嬉しいですね。
【本紙】 子どもたちとのふれあいは素敵ですね。では、お友達をご紹介ください。
【鳥海】 文化活動に取り組んでいる渡辺豊子さんを紹介いたします。
【本紙】 ありがとうございました。これからも環境保全と子どもたちの健全育成にご尽力ください。(鳥海さんはパソコンも農業も何でもこなすスーパーレディでした。3月の取材時に立派なひな壇が飾られていましたので、ご一緒に写真を撮らせていただきました。)